こんにちは。熊本県熊本市にある関歯科医院です。
「インプラント治療とはどんな治療?」「インプラントを勧められたけどデメリットはないの?」など、インプラント治療に関する疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は、インプラント治療の概要やメリット・デメリット、治療の流れ、費用相場について解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インプラント治療とは?
インプラントは治療とは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、人工歯を被せて失った歯を補う治療法です。日本では、1983年頃から行われるようになりました。
人工歯根には、チタンやチタン合金など、生体親和性の高い素材が使用されます。ほかの歯に負担をかけ、噛んだときに違和感のある入れ歯やブリッジとは異なり、天然歯に近い見た目と噛む力を発揮できることが、インプラントの特徴です。
入れ歯やブリッジとの違い
インプラントと入れ歯やブリッジの違いを表にまとめました。
<インプラント・入れ歯・ブリッジの違い >
治療方法 | インプラント | 入れ歯 | ブリッジ |
---|---|---|---|
見た目 | 天然歯に近い | 部分入れ歯はバネが目立つ | 素材に左右される |
噛む力 | 天然歯に近い | 天然歯の10〜40%程度 | 天然歯の60%程度 |
噛み心地 | 天然歯に近い | 痛みや違和感がある | 天然歯に近い |
ほかの歯への影響 | ない | バネをかける歯に負担がかかる | 支える歯を削る |
手術 | 必要 | 不要 | 不要 |
保険 | 適用外 | 適用 | 適用 |
入れ歯やブリッジは、保険治療で失った歯を補えます。インプラントは保険が適用されないので、費用が高くなる傾向にあります。
噛む力は、インプラントが非常に優れているでしょう。人工歯根を顎の骨に埋め込むインプラントは、構造が天然歯に近いです。そのため、天然歯と変わらない噛む力を得られます。
入れ歯やブリッジは、人工歯をほかの歯で支えます。特に総入れ歯の場合、天然歯の10〜20%程度の噛む力しか得られないでしょう。ブリッジは入れ歯に比べると噛む力がありますが、高くても60%程度です。
また、インプラントはほかの歯に影響を与えないことも大きな特徴です。部分入れ歯の場合、健康な歯にクラスプという金属のバネをかけて人工歯を固定します。ブリッジの場合は、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、橋をかけるように人工歯を固定します。
そのため、健康な歯に負担がかかるのです。負担がかかり続けると、支えている健康な歯の寿命を縮める可能性もあるでしょう。
インプラント治療を受けるメリット
インプラント治療を受けるメリットは、以下のとおりです。
- 自分の歯のように噛める
- 審美性が高い
- 健康な歯への影響がない
- 顎の骨が痩せることを防げる
それぞれ解説します。
自分の歯のように噛める
インプラントの最大の魅力は、顎の骨に直接人工歯根を埋め込むので、入れ歯よりもしっかり噛める点です。
入れ歯は食べ物が挟まりやすく、部分入れ歯のバネが舌や頬の内側に当たって痛みが生じることもあります。 安定性が高くないので、食事中に外れることもあるでしょう。
インプラントは天然歯に近い噛み心地を得られるので、食事の際に痛む・外れることはありません。食事を楽しみたいとお考えの方には、インプラントが向いているでしょう。
審美性が高い
部分入れ歯は、口を開けたときにバネが見えることがあります。インプラントはバネを使わないため、天然歯に近い見た目に仕上がるのです。
保険適用で入れ歯やブリッジの治療を受けると、人工歯に使用できる素材も限られます。天然歯のような透明感や艶を再現できないので、目立つことがあるでしょう。
インプラントの人工歯には、セラミックやジルコニアなどが使われます。色調や透明感、艶を再現できるので、天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目が手に入るのです。
健康な歯への影響がない
ブリッジや入れ歯では健康な歯を削る必要がありますが、インプラントは健康な歯への影響はありません。 治療のために必要とはいえ、歯を削る行為は歯の寿命を縮めることにもつながります。
健康な歯に影響を与えず治療を受けられることは、インプラントの大きなメリットです。
顎の骨が痩せることを防げる
インプラントでは顎の骨に人工歯根を埋め込みます。そのため、顎の骨に刺激が伝わり、顎の骨が瘦せることを防げるのです。
顎の骨は、刺激がなくなると徐々に痩せます。歯を失って噛む刺激などを受けなくなった部分は骨吸収が進み、厚みや密度が少なくなるでしょう。
インプラント治療を受けるデメリット
インプラント治療はメリットの多い治療ですが、デメリットも存在します。
インプラント治療のデメリットは、以下のとおりです。
- 外科手術を伴う
- 保険が適用されない
- メンテナンスが欠かせない
- 糖尿病や心疾患がある場合は受けられないことがある
- 金属アレルギーの方は受けられない
- こどもは受けられない
それぞれ解説します。
外科手術を伴う
インプラント手術とは、局部麻酔下で歯茎を切開し、顎の骨に穴をあけて人工歯根を埋め込む手術です。ブリッジや入れ歯と大きく異なり、術後に腫れや痛みの症状が現れることがあるでしょう。
患部の治癒を待つ期間も必要なので、治療期間も非常に長いです。
保険が適用されない
インプラントは自費診療のため、費用が高額になります。
ただし、先天的に歯が欠損しているケースなどでは、保険が適用されることがあります。保険を適用するには、基準を満たした施設でインプラント治療を受ける必要があるので、基本的には自費診療になると考えたほうがよいでしょう。
メンテナンスが欠かせない
インプラント治療では、顎の骨と人工歯根が結合しているかどうか、インプラント周囲炎を起こしていないかなどを定期的に観察する必要があります。
定期的なメンテナンスが欠かせないので、定期的に受診することが難しい場合は向かないでしょう。
糖尿病や心疾患がある場合は受けられないことがある
インプラント治療は、持病によっては受けられないことがあります。心臓や血管の病気がある場合、手術に際して脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を引き起こすリスクが高まるでしょう。
糖尿病を抱えている場合、傷の治りが遅くなります。血糖値を適切にコントロールできるまでは、インプラント治療は受けられません。
金属アレルギーの方は受けられない
インプラント体として使われるチタンはアレルギーを起こしにくい素材ですが、必ず金属アレルギーにならないわけではありません。手術前に歯科医師と相談し、事前にアレルギーがないか確認したほうがよいでしょう。
こどもは受けられない
インプラントとは、顎の骨に人工歯根を埋め込む治療です。そのため、顎の骨が成長途中にあるこどもには行えません。
インプラントを希望する場合、骨の成長が止まってから行う必要があります。 女性は18歳前後、男性は20歳前後で骨の成長が止まるのが一般的です。
しかし、骨の成長・発達には個人差があります。18歳未満、もしくは20歳未満の方の治療を一律で断る歯科医院もあるので、事前に確認しましょう。
インプラント治療の流れ
インプラント治療のおおまかな流れは、以下のとおりです。
- インプラントの埋入
- 人工歯の作成と装着
- メンテナンス
インプラントの埋入には1回法と2回法があります。インプラントを埋める手術とは別に、インプラント上部を切開してアバットメント(人工歯根と人工歯を接続するパーツ)を取り付ける手術を行います。
治療後は、メンテナンスに通わなければなりません。定期的に通院し、問題が起きていないか経過を確認します。
インプラント埋入
インプラント埋入とは、インプラントを顎の骨に埋め込む手術です。
1回法は、手術を一度しか行わない方法です。人工歯根とアバットメントが一体化したものを埋め入れます。外科手術が一度なので患者様への負担が少ないですが、顎の骨の厚みや量が十分でなければ行えません。
2回法は、手術を2回行う方法です。1回目の手術で人工歯根を埋入し、2回目の手術で再度歯茎を切開してアバットメントを取り付けます。2回手術を行うので患者様の負担が大きいですが、インプラントが脱落するリスクが低いです。
手術後は、痛みや腫れが2~3日程度続きます。症状は少しずつ落ち着くので、処方された痛み止めを飲むなどして対応してください。内出血は1~2週間程度で吸収されます。
抜糸は、手術から7~10日前後に行われるのが一般的です。インプラント埋入後、骨とインプラントが結合するまで2~3か月程度待ちます。
人工歯の作成と装着
インプラントと骨の結合が確認できたら、インプラントの上に被せる人工歯の型取り・装着を行います。
装着が終われば、インプラント治療は終了です。
メンテナンス
治療が完了しても、異常がないか定期的に確認してもらう必要があります。インプラントのトラブルとして代表的なのは、インプラント周囲炎でしょう。
インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病ともよばれる病気です。歯周病と同様に歯茎に炎症が起き、進行すると顎の骨まで炎症が広がります。最悪の場合、顎の骨が溶けてインプラントを支えられなくなるでしょう。インプラントが自然と抜け落ちる可能性があります。
メンテナンスを定期的に受ければ、トラブルは予防できます。メンテナンスをしっかり受けて、インプラントを長く使い続けましょう。
インプラント治療の費用相場
インプラントの治療にかかる費用は、歯科医院によって異なります。インプラント治療は保険が適用されない自費診療なので、各歯科医院が価格を設定しています。
費用の相場は、1本あたり200,000〜400,000円程度です。
まとめ
今回は、インプラント治療のメリット・デメリットや、入れ歯・ブリッジとの違いを解説しました。
インプラント治療のメリットは、審美性が非常に高いことや、天然歯と変わらない噛み心地を得られることです。デメリットは、保険が適用されない自費診療のため治療費用が高額になることでしょう。
インプラント治療を検討されている方は、熊本県熊本市にある関歯科医院にお気軽にご相談ください。