こんにちは。熊本県熊本市にある関歯科医院です。
「重度の歯周病はどんな症状がでるの?」「重度の歯周病はどんな治療法で治すの?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。
今回は、重度の歯周病について詳しく解説します。重度の歯周病治療の方法や、歯周病を進行させないためのポイントも伝えますのでぜひご覧ください。
目次
重度の歯周病の症状
歯周病は、歯と歯茎の間の隙間(歯周ポケット)で細菌感染を引き起こして炎症が起こる病気です。歯周病がどれくらい進んでいるかは、歯周ポケットの深さで判断します。
歯周ポケットの深さが6mm以上の状態が重度の歯周病です。重度の歯周病の症状は、以下のとおりです。
歯がグラグラする
重度の歯周病になると、歯周ポケットが深くなるので歯がグラグラします。歯がグラグラと動揺すると、食事がしにくくなるでしょう。
また、歯のグラつきを繰り返すと歯槽骨が吸収されやすくなり、歯周病の症状が悪化していきます。
噛み合わせが崩れる
歯がグラついていると、歯が移動するので噛み合わせ崩れます。噛み合わせが悪くなると、見た目が変化したり食事がしにくくなったり、日常生活にも影響を及ぼすでしょう。
歯ぐきが腫れて出血する・膿が出る
歯周病になると歯ぐきが腫れて出血を起こします。歯ぐきの腫れや出血は軽い歯周病でも起きますが、重度になると膿が出ることもあるでしょう。
出血や排膿が続くと口臭が発生・悪化することが多いです。
歯が長くみえる
歯周病が進行していくと、歯ぐきが下がって歯根が露出します。そのため、歯が長くみえるでしょう。
一度下がった歯ぐきは、自然に元に戻ることはありません。見た目が変化し、特に老けた印象を与えるようになるでしょう。
口臭が悪化しやすい
上記で少し触れましたが、重度の歯周病になると排膿の影響で強い口臭が発生しやすくなります。歯周病菌が含まれている膿から、メチルメルカプタンというガスを発生するためです。
メチルメルカプタンは、野菜や魚が腐敗したようなにおいを発します。口内の食べかすや血液と混ざると、更に強い悪臭を放つでしょう。
歯と歯のスキマが目立つ
重度の歯周病になると、歯ぐきが下がった影響で歯と歯のスキマが目立つようになります。歯と歯の間と、歯茎の隙間は、三角形にみえることからブラックトライアングルと言われています。
ブラックトライアングルがあると、老けた印象を与えやすいです。ブラックトライアングルは自然に改善することはありません。重度の歯周病になると見た目にも影響を及ぼすでしょう。
強い痛みがでやすい
重度の歯周病では、歯ぐきの腫れや出血で痛みを感じることがあるでしょう。また、食事の際の噛む刺激で歯がグラついて、痛みが生じる可能性もあります。
歯周病は自覚症状がないまま進行していくケースが多いので、違和感があったら歯科医師へ相談しましょう。
重度の歯周病はどのように治療する?
軽度の歯周病であれば、歯周ポケットの歯石を取り除く治療を行えば1ヶ月程度で改善されます。
しかし、重度の歯周病は歯石を取り除くだけの治療では改善されないでしょう。重度の歯周病の治療法は、以下のとおりです。
歯石を取り除く(スケーリング)
まずは、歯周病の原因である歯石を取り除く治療をおこないます。歯石は患者さまご自身で取り除けないため、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って除去します。
重度の歯周病では、一度の通院ですべでの歯石を取り除くのが難しいこともあります。そのため、複数回通院することもあるでしょう。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、汚れた歯根の表面を滑らかにする処置のことです。歯科医院のスケーリングで歯石を取り除いた直後の歯の表面はザラザラしていて、そのままの状態だと歯石が付着しやすいです。
そのため、スケーリングの後にルートプレーニングをして歯の表面を滑らかに整えるのです。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
フラップ手術は、歯周ポケットの奥に溜まったプラーク(歯垢)や歯石を取り除くために行う処置です。歯ぐきを切り開いて、歯石や汚れを取り除いたら歯ぐきを縫い合わせて元に戻します。
スケーリングやルートプレーニングだけでは歯周病の症状がよくならないときに選択される治療です。歯ぐきを切り開いて治療するため、歯ぐきの形を整えていくことも可能です。
GTR法
GTR法はGuided(誘導)・ Tissue(組織)・ Regeneration(再生)の略称です。1982年からおこなわれている治療法で、メンブレンという膜で、歯周病で傷んだ歯ぐきを覆って歯周組織が再生するためのスペースを作ります。
通常の歯周病外科治療では、骨よりも先に歯ぐきが回復します。骨を回復させるためのスペースに歯ぐきが入り込むのを防ぐために、メンブレンを使用するのです。
ただし、メンブレンを正しい位置にセットするには高い技術が必要です。そのため、信頼のできる歯科医師のもとで治療を受ける必要があるでしょう。
エムドゲイン
エムドゲインとは、歯根面にエムドゲインゲルを塗って歯茎の治癒を促し、歯周組織を回復させる治療です。歯周病によって溶かされた顎の骨や歯根膜など、歯周組織を再生させる場合に選択する治療法です。
歯周病を進行させないためには
歯周病は予防することが重要とされています。
しかし、どれだけ気をつけていても歯周病になることはあるでしょう。発症した場合は、進行を食い止めることが重要です。歯周病を進行させない方法は、以下のとおりです。
口腔ケアを丁寧におこなう
歯周病を進行させないために大切なポイントは、口内に汚れを残さないことです。毛先の開いていないブラシを使って小刻みにブラッシングをおこない、プラークを落としましょう。
さらにデンタルフロスや歯間ブラシを使って、細かい部分の汚れまで除去することが重要です。
禁煙する
タバコを吸っていると、歯周病になりやすく悪化しやすいです。さらに、タバコの中に含まれている有害物質で血液の流れが悪くなるため、歯周病になると治りにくいとされています。
そのため、歯周病の進行を防ぐためには禁煙することが重要です。禁煙が難しい場合は、タバコの本数を減らすだけでも歯周病の進行を遅らせることができるでしょう。
口呼吸をやめる
口呼吸をするクセがあると、口内が乾燥します。口内が乾燥していると、細菌が増殖しやすいので歯周病になりやすく、進行しやすいでしょう。口呼吸は口臭の原因にもなりますので、改善して鼻呼吸をおこなうようにしましょう。
甘いものを控える
チョコレートやドーナツなどのおやつや、糖分の多いドリンクをたくさん摂取すると、虫歯や歯周病が悪化しやすいです。また、糖分の摂りすぎで糖尿病になると歯周病が悪化しやすくなるので注意しましょう。
定期的に歯科医院を受診する
歯周病の進行を防ぐには、定期的に歯科医院を受診することも重要です。初期段階の歯周病では自覚症状がないことも多く、知らない間に重症化することが非常に多いためです。
定期的に歯科医院を受診していれば、初期の歯周病を発見して治療を始められるでしょう。重度の歯周病治療では外科的な処置が必要なこともありますが、軽度であれば大掛かりな治療は必要ありません。
また、歯ぐきの出血や腫れなど、歯周病の症状があったら早めに歯科医院へいくことが大切です。歯科医院では専用の機器を使用して歯石を取り除き、歯周病の進行を防ぎます。
まとめ
重度の歯周病になると、通院回数や通院期間が長くなり外科処置が必要になることもあるでしょう。また、歯ぐきが下がってブラックトライアングルができると、老けた印象を与えやすく審美性も低下します。
歯周病が悪化すると最終的には歯が抜け落ちる可能性があります。歯周病の進行を防ぐために、丁寧な口腔ケアを意識しましょう。ブラッシングやデンタルフロス、歯間ブラシでプラークを隅々まで落とすと、歯周病だけではなく虫歯予防にもつながります。
重度の歯周病は強い痛みがでやすかったり、口臭がきつくなったりと、日常生活に支障をきたすかもしれません。歯ぐきの出血や腫れなど、歯周病の初期症状があったらできるだけ早めに歯科医院で診てもらいましょう。
歯周病治療を検討されている方は、熊本県熊本市にある関歯科医院にお気軽にご相談ください。